はじめに
60歳になって、「移動」に対する考え方が変わりました。
若い頃は、とにかく「早く着くこと」が正義でした。目的地までの時間を短縮することが当たり前で、途中の景色なんてほとんど目に入っていなかった。移動は「目的地に着くための手段」であって、それ以上でも以下でもなかったんです。
でも今は、違います。
「移動そのものを楽しんでいい」——そう思えるようになったのは、60歳を過ぎてからです。時間に追われない生活になったからこそ、道中の景色、風の感触、知らない町の空気、そういうものをゆっくり味わえるようになりました。
そこで始めたのが、原付二種(125cc)でのバイク旅です。
大型バイクで高速を飛ばす旅とは、まったく違います。でも、小さなバイクだからこそ見える景色があって、小さなバイクだからこそ立ち寄れる場所がある。60歳からの趣味として、これほど自分のペースに合うものはないと感じています。
原付二種だから楽しめる、気軽な旅
原付二種の一番の魅力は、なんといっても「気軽さ」です。
大型バイクでのツーリングとなると、前日から準備が必要だったり、体力的な負担も大きかったりします。でも125ccなら、思い立ったその日に出発できる。「今日、天気がいいな。ちょっと走ってくるか」——その感覚で乗り出せるのが、原付二種の良さです。
- 近所をぶらぶら走るだけでも楽しい
- 少し遠くの町まで足を延ばしてみる
- 気になった脇道に迷い込んでみる
- 川沿いの道をのんびり走る
- 気に入ったカフェや食堂で休憩する
「どこかに行かなきゃいけない」という義務感がなく、「行きたいから行く」「止まりたいから止まる」という自由な旅ができます。これは、効率を重視していた若い頃にはなかった楽しみ方です。
また、125ccは車体が軽いので取り回しがしやすく、細い路地や駐輪スペースが少ない場所でも扱いやすい。60歳からバイクを始める人や、久しぶりに乗り始める人にも向いているサイズだと感じています。
経済的に走れる、財布に優しい旅の相棒
原付二種の魅力は、楽しさだけではありません。経済的に走れることも、60歳からの趣味として考えたときに大きなポイントです。
125ccクラスのバイクは燃費が非常に優れており、車種や走り方にもよりますが、1リットルあたり40〜60km前後走れるモデルが多いです。ガソリン代に換算すると、100km走っても数百円程度。車で同じ距離を走るのと比べると、大幅にコストを抑えられます。
たとえば日帰りで150〜200km走っても、ガソリン代は500〜700円前後で済むことも。これはかなり助かります。
「遠くへ行きたい。でも費用は抑えたい」——そんなバランスを求める60歳からの旅に、原付二種はちょうど良い相棒です。
維持費の面でも、大型バイクに比べると車検が不要(125cc以下は車検なし)、任意保険も割安、タイヤや消耗品のコストも低め。趣味として長く続けていくうえで、家計への負担が少ないのも魅力のひとつです。
高速道路を使わないからこそ、見える景色がある
原付二種(125cc)は、高速道路や自動車専用道路を走ることができません。これを「デメリット」と感じる方もいるかもしれません。確かに、移動時間だけを考えれば、車や大型バイクの方が速く遠くへ行けます。
でも、一般道を走るからこそ出会えるものがあると感じています。
高速道路を走っていると、景色はあっという間に通り過ぎていきます。でも一般道を125ccでのんびり走っていると、道端の小さな花に気づいたり、古い神社の鳥居が目に入ったり、地元の人しか知らないような食堂を発見したりする。
- 気になった景色があれば、すぐ止まれる
- 地図に載っていない道を選んでみる
- 通りすがりの地元の人と話す機会が生まれる
- 「こんな場所があったのか」という発見がある
目的地に急ぐ旅ではなく、道中そのものを楽しむ旅——それが、原付二種ツーリングの醍醐味だと思っています。
60歳になって「効率より体験」を大切にできるようになったからこそ、この楽しさが分かるようになった気がします。
60歳からバイク旅を始めるにあたって
「60歳からバイクって、体力的に大丈夫なの?」と思う方もいるかもしれません。
正直なところ、若い頃と比べると体力や反射神経が落ちていることは自覚しています。だからこそ、無理をしないことを最優先にしています。
- 長距離を一気に走らず、こまめに休憩を取る
- 疲れを感じたら、予定より早めに切り上げる
- 天候が悪い日は無理に乗らない
- 安全装備(ヘルメット・グローブ・プロテクター入りジャケット)をしっかり揃える
「ゆっくり、安全に、自分のペースで」——これが60歳からのバイク旅のルールです。
おわりに
125ccという小さなバイクで走る旅は、派手さはありません。遠くへ行けるわけでも、速く走れるわけでもない。
でも、それでいいと思っています。
60歳になったからこそ、「速さ」より「感じること」が大切になりました。風を感じながら知らない道を走る。気になった場所で止まって、地元のコーヒーを飲む。それだけで、十分に豊かな時間です。
原付二種ツーリングは、還暦からの生活にぴったりの趣味だと感じています。
これからも、実際に走った場所や感じたことをこのブログで記録していきます。同じように「60歳からバイクを楽しみたい」という方の参考になれば嬉しいです。


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